こんにちは!やす(@YasLovesTech)です。 8月の決算ラッシュを受けて色々思うところはありますが、とにかくコマース銘柄が強かったなぁという印象を持つ決算でした。今日はそのコマース銘柄のおさらいをしていこうかなと思います。今日は分析というよりもコマースの背景と個別銘柄の簡単な解説になります。
なお、記事を書いてる私は、ETSY( $ETSY )、Mercadolibre ( $MELI )、Sea Limited ( $SE )の3つのみをホールドしているということはあらかじめ留意していただければと思います。
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異次元決算続出のコマース銘柄!
企業名 | 前年同期比売上成長率(YtoY) |
Shopify ($SHOP) | 97% |
ETSY( $ETSY ) | 137% |
Wayfair ( $W ) | 82.5% |
Farfetch ( $FTCH ) | 74% |
Mercadolibre ( $MELI ) | 123.4% |
Sea Limited ( $SE ) | 93.4% |
At Home ( $HOME ) | 42% |
Overstock ( $OSTK ) | 109% |
主にグロースを見ていく中で、SaaSやヘルスケアなどを中心に見てきましたが、コマースの異次元の強さを見せつけられた決算でした。上記は一部になりますが、もはや個別企業の実力だけではなく、明らかにマーケットが良いという結果になったのでは無いでしょうか?
背景として、もちろん新型コロナウィルスにより自宅自粛を全世界的に強いられており、Eコマースの売上が大幅増した結果になります。もちろん、これは4月〜6月というもっともEコマースが追い風を受けた時期での結果で、今後ワクチンや治療薬など徐々に普通の生活に戻るに連れて成長が鈍化する可能性はあると思います。
ワクチン、治療薬だけでいえば、ロシアがすでにワクチンの摂取を始めてる他、概ねアメリカのワクチン開発もうまくいっているので早ければ2020年のQ4にもワクチン接種が開始するかもしれないということを考えると、完璧に追い風を受けるのは2020年Q4までということになりそうです。
このような懸念はありつつも、、、上記の結果を見ればこの追い風は異次元の追い風であることは明らかです。一部の銘柄はコロナ前から強さを見していましたが、大抵前年同期比30%も行けば、結構強いよね。というのが相場観でした。
マーケットの全体間でいえば、オールドエコノミーがコロナで軒並み苦戦する中、テック企業に注目がいきました。特にSaaS企業は注目が集まり株価が大きく上がりました。しかし、蓋を開けてみるとSaaS企業は軒並み成長率を落とす結果になっており、GAFAMのジャイアントも調子が良いと言われてはいますがそれでもせいぜい40%成長ほどです。 他、ヘルスケアも強かったですが、銘柄によりけりです。
投資家として、もちろんQ3,Q4も成長する銘柄に投資したいところです。日本語のトレンドを見る限り、やっぱりGAFAMだ!SaaSは強いみたいな流れに見えますが、大局的に見ればコマースの強さは明らかに一段も上です。GAFAMやSaaSを否定するわけでは無いですが、それらは注目が集まりやすいだけで、大局的に見ればEコマース銘柄の大勝利という決算だったのでは無いでしょうか?
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Eコマ銘柄は買いか?
強いは強いのですが、Eコマ銘柄は買いかという問いに関しては個別に判断がいるところです。第1に、ワクチンや治療薬が広まってこれば人々がEコマから店舗販売に戻るのでは無いか?という懸念。第2に、たとえQ3,Q4はコロナの追い風を受けて売上が伸びたとしてもそれはすでに株価に織り込まれているのでは無いか?
経済再開したらEコマ成長は止まる?
第1の懸念に関しては、ETSYのレポートに経済が再開しても完全にEコマースが衰えるわけでは無いという発表がありました。
こちらの図はフランスとテキサス州で経済が限定的に再開した時にその前後で売上成長率(前年同期比の日別)がどう変化したか?を指し示す図ですが、もちろん影響は受けているものの、依然50%-100%ほどの強い成長率を維持しているのがわかります。もちろん、これは2箇所だけですし、経済の再開も限定的な再開なので、必ずしも本格的な再開や他の地域、他の銘柄に当てはめることができないということは念頭に入れておいたほうがよさそうです。
こちらもETSYの決算発表からのスライドなのです。これはCohort Analysisというカテゴリの分析でアメリカ企業はよく好んで使うのですが、それぞれの年次やQuarterで新たに新規顧客になったユーザーを1つの塊(Cohort)として、それぞれの売上の推移を表したもので、これが積み上がる形になっていれば、新規=>定着の流れが期待できるという、ものです。
これを見る限りは、2020年の3月あたりから全てのCohortで上昇を見せており、明らかに既存顧客、もしくは休眠顧客の掘り起こしに成功しています。これも一般論になりますが、一旦掘り起こされた既存の顧客はサービスの体験が良ければ一定の率でサービスに定着します。今回のコロナにおるEコマの追い風は、一時的な追い風だけではなく、既存・休眠ユーザーの掘り起こし大チャンスイベントだったということは別の見方でありそうです。それらの顧客をちゃんとコロナ後に維持できるかどうかも今後の成長率に大きく影響するでしょう。
すでに割高?
第2の懸念として、すでに割高では無いかという議論。これは後日個別銘柄の分析でより詳細を見ていこうかなと思いますが、割高になっているのは間違い無いと思います。ただ、それが他のセクター・マーケットも同様に割高にはなっています。
すべてのセクターで割高にはなっているので、どの銘柄を買っても下方圧力を抱えることにはなるのですが、一般的に売上成長率が高ければPERにしろPSRにしろ決算発表があった時点で売上成長がある程度割高の株価の下方圧力を吸収する形になるので、今の相場ではコマースにかかわらず出来るだけ強い成長力の銘柄を持っておくことがいつか来る割高是正相場に備えることなのかなと個人的には考えてます。
余談ですが、GAFAMを始め、バリュー株なども実態の強さからかけ離れて株価が上がっている感じはあるので、8月上旬のグロース大暴落みたいな相場が今後は訪れるのかなと考えてます。
どういう銘柄を買うべきか?
シンプルにいえば、コロナ前からも強くて、コロナ後も成長のストーリーが描ける企業に投資するのが一番良いと考えてます。Eコマの決算を見る限りでは、単にコロナの追い風を受けたものも多く、その風が止んだ瞬間に成長がまた元に戻るということは十分に考えられそうです。
コロナ前からもともと強くて、コロナ抜きにしても向こう数年の成長が見込める、それにコロナの追い風が加わることにより、長期的な成長がさらに加速する。こんなストーリーが描ける銘柄に投資すべきではないかなと考えてます。それはまた個別の分析記事で紹介できたらいいなと思います。
Eコマース個別銘柄紹介
では、Eコマの個別銘柄に触れていきます。今回はさっと触れる程度で、Eコマグロースにはこういったプレイヤーがいるんだなということが伝えられればなと思います。決して優良とかオススメしてるわけではなくプレイヤーの紹介です。
Eコマースエンジン
こちらは、Eコマースを直接運営しているというより、簡単にEコマースのウェブサイトを作れるツールを提供している会社になります。Shopifyが一番有名ですが、この領域には競合がかなり多く存在してます。公開株だけでも大手が4社(Shopify, Wix, BigCommerce, Square)がいる他、未公開のスタートアップに各領域(レストラン向け、アパレル向け、スーパー向けなど)を得意とするEコマースエンジンがうじゃうじゃいます。コロナを受けて、この領域に参入する企業は間違いなく増えており熾烈な戦いが予想されます。
なお、Farfetchは富裕層向けのアパレルEコマースショップですが、Farfetchはまさにアパレル向けのShopifyみたいなビジネスもしてます。MercadoLibreは南米で最大のEコマースサイトではありますが、Shopifyと同様の機能も南アメリカ中心に展開してます。
BigCommerceは、2020年Q2にちょうどIPOしたての銘柄ですが、8月26日にFacebookのライブコマースとの提携を受けて株価が高騰しています。
専門Eコマース
Eコマースといえば、AmazonやeBayなどが総合Eコマースサイトとして最も有名ですが、各専門領域にそれぞれプレイヤーがいます。
Etsyはハンドメイドの商品を中心に扱っており、他のコマースサイトでは見られないユニークな商品が買えると評判のコマースサイトです。
Wayfairは家具専門のEコマースです。欧米ではコロナを受けて引っ越しブームになっていますが、リアル店舗は軒並み閉店中。そんなかでWayfairの売上が急増してます。Wayfair以外にもAt Homeという企業も存在します。こちらも好調です。
Overstockは総合Eコマースサイトに近いですが、家具にやや強い印象を受けます。その他アパレル・ジュエリーなどを扱ってます。こちらもかなり好調です。
Farfetchは富裕層向けのアパレルのコマースサイトです。Gucchi、Louis vuittonといった有名ブランドを扱ってます。また上述しましたが、Farfetchはアパレルブランド向け専用のShopifyみたいなビジネスもしておりそちらもかなり好調です。私は持ってませんが、グロース株として注目を浴びている銘柄ですね。
Eコマース地域
日本の楽天みたいに、各地域にそれぞれEコマースのプレイヤーが存在してますが、各地域のAmazon級の存在感になりつつある2銘柄を紹介します
Mercadolibreは南米最大のEコマースウェブサイトです。ブラジル、メキシコ、アルゼンチンなど南米の主要国でそれぞれシェアNo1を誇っており、その規模はAmazonの2倍を超えるところもあります。Amazonがブラジルでシェア1位を取れないとはなんとも皮肉ですね。この会社がすごいのはEコマースだけでなく、独自の配送ネットワークを持ってる他、ShopifyのようなEコマースのエンジン、Squareのようにリテールの簡易POSシステム、ペイメントシステム、そしてなんとクレジットカードやデビットカードの発行まで事業を広げてます。まさに南米のジャイアントになりつつある会社です。
Sea Lmitedは、東南アジアを中心にゲーム事業とEコマース事業を展開してます。ゲーム事業はゲームの開発・配信はもちろんEスポーツのイベント開催まで行なっています。東南アジアは若者を中心にPUBGモバイルなどのモバイルEスポーツが大いに流行っており、欧米・中国に次ぐEスポーツマーケットに成長しつつあります。また、東南アジアでおそらくシェア1位のコマースサイトを運営しており、サイト運営だけでなく配送なども含めた包括的なサポートを徹底してます。また、規模は小さいですがMercadolibreのようなフィナンシャルサービスも開始してます。Sea Lmitedに関してはNekoさんのNoteが非常によくまとまってますので、こちらを参照ください。
まとめ
私としては、8月にグローステック銘柄の割高やバリュー株への循環を受けて、Eコマースに資金を移動していました。Eコマースが今後も伸び続けるかどうかはもちろん誰にもわからないのですが、少なくともポートフォリオのバランスを見たときに、これほどの急成長をしている銘柄・マーケットを組み込まない理由はないなと考えた次第です。
冒頭にも述べましたが、私自身としてはETSY( $ETSY )、Mercadolibre ( $MELI )、Sea Limited ( $SE )の3銘柄をトータル10%ほど保有してます。今後Q3に向けて10%〜15%ほどまで進めていければいいなと考えてます。理由は途中にも述べたとおり、コロナ前からも成長しており、コロナ後も大きく成長していくと考えているからです。これらの銘柄に関してはまた後日記事にしようと思います。
また、たまにShopify( $SHOP)はどうですか?とよく聞かれます。そこまで深い分析をしたわけではないですが、あまりにもわかりやすい銘柄なのでおそらく割高になっているなと思っているのと、上述したように競合がかなり出てきているため、今後の成長は中々厳しいのかなと思って、そこまで深く分析はしてません。ひょっとしたら私の考えを超える何か大きなものがあるかもしれませんね。
コロナショック後から8月にかけて、グロース x SaaSが上昇し、次にGAFAMをはじめとするテックジャイアンとが上昇し、オールドエコノミーも上昇し、かなり割高局面になってきたかなぁと感じてます。いずれはこれらの割高が是正はされるだろうと考えてますが、コマースはそれでも異次元成長を続けてますので、割高是正局面でもダメージは比較的浅いのかなと期待を持って保持してます。
今後もよろしくお願いします
ここまで読んでいただきありがとうございます。やすブログでは、テックニュースやテック株の解説記事を引き続き書いて行こうと思います。
最後に、投資はあくまでも自己責任でお願いします。今後も良い記事を書いていきたいので、引き続き応援よろしくお願いします。
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