こんにちは!やす(@YasLovesTech)です。今回はやすブログQ&Aコーナーです。主にTwitterで○○ってどうですか?と聞かれることが多いので、定期的に気になったものをピックアップして記事を書いていこうと思います。今日はTeladoc Health(TDOC)について考察していこうと思います。
・株価は1年で驚異の191%成長
・オンライン診療の最大手。マーケットも大きいが競合も多い
・FDAの規制緩和などコロナ特需の追い風
・2020Q1の売上成長は41%。Q2のガイダンスもかなり強気
・費用構成、キャッシュフローに少し不安あり。それゆえPSR24は安いわけでは無い
・2020年Q2決算は7月29日
なお、私自身今現時点で買ってるわけではないので、さっと見た感想という点に留意いただければと思います。今後も、〇〇についてどう思いますか?という質問は大変ウェルカムです!私も知らない銘柄がたくさんありますし、もし良さそうな銘柄があれば皆さんに知っていただく良い機会になればいいなと思います。中にはメールをくださる方もいますが、できれば Twitterでいただく方がブログ内で使いやすいのでTwitterでいただけると嬉しいです。
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【TDOC】Teladoc Health 株価191%成長
今回は、さとるさん( @Satoru_esora ) さんからTeladoc(テラドック)に関する質問がありました。他にも数人からTeladocに関して質問をいただいたと思いますし、英語アカウントでも何回か目にするそこそこ有名な銘柄だと思います。
株価は1年間で191%成長!こんな夢のある投資をしてみたいものですね。
プロダクト
いつもの通り、プロダクトから見ていきます。投資するしないにかかわらず流行っている最先端のプロダクトを知ることは、今後の未来を予想する上で非常に重要です。
会社公式の動画を見ていただくのが一番わかりやすいと思います。英語にはなりますが、なんとなく雰囲気はわかるかと思います。動画を見てわかる通り、いつでも気軽にオンラインのドクターに相談できるプラットフォーム(オンライン診療)です。会社のHPを見る限り、主なな用途はプライマリーケア、メンタルヘルスが大きな二大用途だと思います。
プライマリーケアは健康上のちょっとした不安や違和感をまず相談する先ですね。アメリカでは日本のようにいきなり専門医に行くことはほぼなく、まずはプライマリーケアに行きそこで解決する場合はそこで解決してもらい、専門的な治療が必要であればプライマリードクターに推薦してもらうというのが基本的な流れです。日本の内科医よりカバー範囲は広く浅い感じだと思いますが、内科医に近い感じです。また、日本のようにアポイントメント無しでいきなり受付にいって受けれるわけではなく、事前に保険適応かどうかを確認し、保険適応内であってもアポイントメントが取れるのは1−2週間後というのはざらにあります。健康上の不安は大抵直ちに相談したいものですが、1−2週間も待たなければならないのは精神衛生上よくないですよね。こういった背景もアメリカでオンライン診療が流行っている背景でもあります。
また、メンタルヘルスとしての用途も大きな目的の1つです。日本だと鬱病とかそういった感じになると思いますが、アメリカでもこういった患者者さんは急増しており、人口の5%に当たる約4400万人が年に1回は精神的な病気を患うとも試算されてます。
不謹慎ですが、メンタルヘルス向けのソフトウェアのマーケットも伸びており年平均11%で今後も成長していくと予想されています。
ビジネスモデル
Teladocのビジネスモデルは2パターンあります。一回限りの利用であれば$75。他にはサブスクリプションのモデルがあります。サブスクリプションは具体的なプライスプランが見つからなかったのですが、個人でサブスクライブするというより企業や保険会社を通じて利用するのが主なビジネスモデルみたいで、こちらの方が1回利用の収益より大きな柱になっています。
アメリカは民間保険のため、保険の支払いが総合的に安くなるのあれば保険会社はこういったオンライン診療などを積極的に組み入れます。被保険者の病気が進行する前にオンライン診察で早期発見できれば治療費よりオンライン診療への費用の方が総合的に支払いが安くなるというケースもあるでしょう。また、被保険者の満足度も高くなるのは間違い無いでしょう。
コロナの追い風
先日、記事で書いたLivongo Healthもそうですが、新型コロナウィルスの拡大によってリモート診療には追い風が吹いてます。
高齢の方は特にコロナウィルスの影響を受けるので、出来るだけ病院に行かないことが望まれますし。また、コロナウィルスによって様々な理由から精神的な病いを患う人が急増しているニュースをかなり多く目にするようになりました。自粛による孤独感、かかってるかもしれないという不安、経済的な不安、今回のパンデミックにより精神的な病いを患う可能性はかなり高まっています。
アメリカの厚生労働省的な立ち位置のFDAもオンライン診療に関する規制を2020年の4月に緩めており、これもオンライン診療を後押しする大きな流れのひとつでしょう。
競合
一方で、このマーケットには競合が多くいます。Teladocは、業界最大手ではありますがさっと調べただけでも10社前後はひしめいているようです。
今回は、ここへの調査は大きく割いてはいませんが、もしTeladocに投資をするなら競合は多くいるということは念頭に置いておく必要がありそうです。先日記事に書いた、Livongoは糖尿病に関する医療デバイスとしてのFDAまで取っているので競合は多くありませんが、Teledocはあくまでも診察のサポートツールの立ち位置なので、ドクターさえ確保してしまえば極端に言えばZoomでもサービスを提供できてしまいます。
一方で、Livongoに比べれば潜在的なマーケットははるかに大きいので、ある程度の競合環境でも十分に生き残っていけるのではないかと楽観的に考えてます。
決算資料
では、最後にさらっと決算資料を見ていきます。2020年Q1の決算はこちらにあるので、投資を検討する方は見ておいた方がいいでしょう。
売上実績・ガイダンス・成長率
過去のガイダンス、それに対する売上実績、YtoY成長率です。2020Q2の売上実績はガイダンスベースに作ってます。
あれ?これ結構やばいのでは!!!???
(ブログのここに至るまでこの表を作成しておらずガチで驚いてます)
決算資料によると、2020年Q1の売上はYtoYで41% 成長し$180.8Mとのことです。オンラインにおける診察数は2019年Q1から92%も増加し、200万回を超えたとのことです。実際の決算発表の録音でもコロナにおける需要が高まっているとのことです。
過去全てのガイダンスを上回ってきており、2020年Q2はそのガイダンスを大幅に引き上げ、ガイダンス通りだとYtoYが65%にも達します。PSRは将来の成長に対する期待の現れですので、成長率が今後も伸びていくと期待されればPSRが伸び、株価が上がっていくことが一般的には期待されます。逆に成長率が落ちていけば期待であるPSRが下がっていきます。成長率が登っていく銘柄を捕まえるのは基本的には難しいなと思っています。
レベニューモデルが決算資料を見ただけではよく理解できてないのですが、注意点としてはサブスクリプションの売上は29%しか増えておらず、診察回数の増加による売上増が93%と大きく成長しており、こちらがYtoYの成長を支えてると考えられるでしょう。予想ですが、サブスクリプションはあくまでもプラットフォーム使用料で、診察費用はプランによって無料だったり、有料だったりするのだと思います。患者さんが無料だとしても保険会社が診察数に応じていくらか払ってそうです。
その他重要指標
PSR(7月14日) | 24 |
粗利率 | 60% |
フリーキャッシュフロー | -18M |
キャッシュ残高 | $507M |
少し長くなってきたので、この辺りはさっとコメントするだけにします。PSRは24と一見、他のSaaSに比べ低めに見えますが、粗利率が少し低いのとサブスクリプションがあまり伸びてないことを考えると割安とは全く言えないでしょう。普通に考えたら割高です。PSRについてはこちらの記事を参考にしてもらえればともいます
キャッシュフローを見るのは得意では無いのですが、マーケティング・R&Dに使っている金額が$68Mしかなく、売上($180M)のわりには未来への投資部分が少なく見えます。費用項目のGeneral and Administrativeが$45Mと、他のグロース系に比べ比較的高い印象なので、オペレーションに結構費用が狩るんだろうなと思います。極端に言えばこれも原価だと思いますので、実際の粗利率は40%前後とも言えるかもしれません。
まとめ
やす的にはなしでは無いのかなとは思いますが、少し損益計算書やキャッシュフローの回り方が他のSaaSと比べ微妙な感じがしてます。
とはいうものの、もしガイダンス通り達成したとしたら期待PSRは20まで下がりますし、コロナにおけるオンライン診療の特需は少なくとも来年のQ1までは続くと考えられるので、見た目上のYtoYは来年のQ1まで良いものが見せられるのでは無いかと思います。何より、売上成長率が高まる最初の方にインできたらPSRがどんどん伸びてくるという夢のような状態になる可能性もあります。こういう感じに乗るのは個人的には好きです。
Teladocの決算発表は7月29日です。おそらくガイダンスを超えてくると予想しており、YtoY70%とキラキラした内容を出してくるかもしれません。
Livongoや他の夢のある技術銘柄に比べ、少し競合優位性や収益性に疑問があるので、大きく突っ込む感じでも無いですが、Q2の決算の前に1-3%程度を目安に保有してQ2の決算を見て考えるという感じが塩梅では無いでしょうか?決算後に大きく落ちるという感じはなんとなく無い気がしてます。面白そうなので1-3%は決算前に保持していこうと考えてます。
今後もよろしくお願いします
ここまで読んでいただきありがとうございます。やすブログでは、テックニュースやテック株の解説記事を引き続き書いて行こうと思います。
特に他のブログでは財務分析に重きを置いてるケースが多いと思います。テック銘柄は数字ではわからない部分が多く、本質的なテクノロジーや産業優位性を考えることがかなり重要と考えてます。やすブログではファンダメンタルなテクノロジーの優位性や成長性などに今後もフォーカスしていきます。
最後に、投資はあくまでも自己責任でお願いします。プライバシーポリシー・免責事項をよくお読みください。今後も良い記事を書いていきたいので、引き続き応援よろしくお願いします。
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Comments
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[…] Teladocは、以前の記事【Teladoc、有料会員が昨年対比60%増】でも紹介しましたが、新型コロナの流行下の急速な需要の拡大と共に業績を伸ばしており、米国で一番オンライン診療サービスを提供しています。株価も、2019年から2020年7月までの一年間で190%ほどの驚異的成長を見せています。[ソース] […]