こんにちは!やす(@YasLovesTech)です。10月27日にMicrosoft(マイクロソフト)の決算が発表されました。今回は速報的に簡潔に解説していきます。
- Q3の決算全体としては可もなく不可もなくといった感じ
- 大崩れしてないという点では相場にネガティブではない
- 売上$37.2B ( YoY 12.4%) で予測を上回る。EPSも同様に上回る。
- ビジネス復調、Azure減速が止まるものの、WIndowsの特需も終わり見通しが不良
- Q4のガイダンスがWIndowsが原因で弱く、長期的にも見通しは悪い
決算資料はこちらです。Microsoftnい投資検討の方は1度目を通すことをお勧めします。
なお、Microsoftの決算は2020Q3を会社の第一期、FYQ1と記してますが、やすブログでは全体の統一性として、2020Q3と記述します。
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動画解説
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Microsoft(マイクロソフト)2020Q3決算概要
◎ 売上予測:達成!$37.2B ( 予測 +$1.42B )
◎ EPS予測:$1.82 ( 予測 +$0.23 )
◎売上成長:前年同期比12.4% YoY
❌ Q4ガイダンス $39.5B – $40.4B ( 中央値 $39.95 VS 予測 $40.43)
=> More Personal Computingが減速する見通し
売上や$EPSなどは予測を上回りましたが、ガイダンスが結構弱かったので、時間外で-1.6%となってます。1日を通じでほぼプラマイゼロという形になりました。
売上グラフ
こうやってグラフ化するとQ4の成長はかなり減速してますね(一番右はガイダンスとYoYはガイダンスベース)後述しますが、全体的にはビジネス、Azureが減速する中、Windowsの特需でカバーしていましたが、Q4はWindows,Xboxの特需が一巡し、ビジネス、Azureが減速したままなので低成長になる見込みです。
プロダクト
Microsoft(マイクロソフト)の主要プロダクトは以下の3つです。Intelligent CloudがMicrosoft(マイクロソフト)の現在の成長のドライバです。
Productivity and Business Process: ビジネスソフトウェア
=> 売上 $12.3B ( 11% YtoY ) <- 6% in Q2
Intelligent Cloud: サーバー関連 ( 主にAzure )
=> 売上 $13.0B( 20% YtoY ) <- 17% in Q2
More Personal Computing: OS ( 主にWindows )
=> 売上 $11.8B( 6% YtoY ) <- 14% in Q2
Productivity and Business Process: ビジネスソフトウェア
このカテゴリには以下のソフトウェア(ビジネス)が該当します
・Office ( Word , Excelなど)
・Microsoft Team
・LinkedIn
・Skype
こちらがセグメントの詳細になります
全ての項目で前Qより成長が加速しています。元々、ここはMicrosoft(マイクロソフト)の成長ドライバでしたので、成長が回復してきたのはいいですね。特にLinkedInの成長が戻ってきているので人材マーケットも回復してきているのではないかなと思います。
成長の中心である、 Office365もYoYで15%と成長を維持してますが、ここはどちらかといえばコロナ禍で伸びるべきビジネスではあるので、ここはあまり評価できません。コロナ禍の需要を掴み切れてません。
Office365は、WordやExcelなどのほか、SlackやZoomのような機能がバンドルされてますが、コロナ以降ビデオ会議の機能を拡張してきたのがあまり成長に反映されてません。ここは、Zoomのライバルと見られてただけにZoomが独走していることを印象付けます。
Intelligent Cloud: サーバー関連 ( 主にAzure )
このカテゴリには以下のソフトウェア(ビジネス)が該当します
・Microsoft SQL Server
・Windows Server
・GitHub
・Azure(主力)
こちらがセグメントの詳細になります
ここは、Microsoft(マイクロソフト)で一番の成長分野なので、成長力が非常に重要です。Q2は若干の減速が見られましたが YoYが19%->22%に回復してます!主力のAzureも47%->48%と減速がとまりましたしてます。Q1に比べれば、まだ弱いもののQ2からずるずる減速しなくて本当に良かったです。とはいうものの、評価全体としてはコロナ以降成長が減速しているということには変わりないのでQ4にかけて成長を期待したいです。
Amazon, Akamai, Fastly, Cloud Flare, Data Dog, Dynatraceなど
More Personal Computing: OS ( 主にWindows )
このカテゴリには以下のソフトウェア(ビジネス)が該当します
・Windows( Pro, Home)
・Surface
・Xbox
こちらがセグメントの詳細になります
このカテゴリは好調なセグメントと不調なセグメントが混在してます。まず、Windows Proがかなり減速してます。主に、企業向けのWindowsライセンスだと思います。おそらくこれがQ4のガイダンス減速要因かと思われます。一方、Windows Homeは引き続きかなり好調なので、学生が買っているのかなと推察されます。
タブレット(Surface)もQ2ほどの需要ではないですが、引き続き強い売上を継続してます。XboxもYoY30%と強いですが、これもコロナ禍を受けて引き続き強い売上を継続してますが、 Q2から減速してます。タブレットにしろ、Xboxにしろ、需要の先食いの懸念が非常に高まります。
まとめ
今回の決算では良かった点と悪かった点が混じりました。
全体的には基本的な成長ドライバであるビジネスソフトウェアが復調してきたことと、Azureの減速が下げ止まったことが良いニュースかなと思います。ただ、Azureに関しては全盛期の勢いを回復できていません。
Windows,XboxはQ2につづき高い成長を維持したものの、いずれもQ2に比べ減速してます。すでにQ4の見通しは悪いことが報告されてるので、需要の先食いの懸念が高まります
全体としては、ビジネスとAzureの減速をWindows,Xboxの一時的な特需でカバーしてた形でしたが、特需も徐々に落ち着いてきたのがよくわかる決算でした。問題は、Windows,Xboxの特需が完全に落ち着いた時に、Azureとビジネスが復調し切ってないとマイクロソフトの売上成長は10%を切ってしまい、勢いを失ってしまうことでしょう。今現在、全体として10%超の成長を維持できる見通しはあまり立ってないように見えます。
他の銘柄への推察では、Azureの成長減速が止まったものの、まだコロナ前の成長力を回復できてないことです。これは、Amazonの業績も少し気になるところです。また、タブレット・Windowsの特需が明らかに落ち着いてきてるので、Appleも気になります。おそらく、これらの売上はYoYでは良いものの、Q4への需要先食いがAppleも気になります。
LinkedInの売上が回復してきたのは人材マーケットが回復してきた証なので、そこは素直に経済全体として良い傾向かなと思います。
投資としては、結構先行き不透明かなと思ってます。そこまで積極的にマイクロソフトへの投資を勧める感じではありません。投資するにしても、Azure, ビジネスの復調を確認してからの方がいいかなと思います。ホールドの方もここから先はあまり上がらず下がっていく可能性が高いかなと思うので売るなら今のうちがいいと思います。もしここでホールドするなら次の1−2年持つ気概で持つくらいの気合が必要です。
マーケットへの影響
先行きは若干不透明なものの、2020年Q3の決算としては大崩れはしてないという評価です。少なくとも今後、ナスダックやS&P500へネガティブな影響はないかなと思います。とはいうものの、株価もあまり伸びないと思うので、若干相場がスローダウンすることが懸念されます。最も、他のGAFAMがしっかりしてればいいと思いますので、他の決算をしっかり見ていきたいと思います。
今後もよろしくお願いします
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特に他のブログでは財務分析に重きを置いてるケースが多いと思います。テック銘柄は数字ではわからない部分が多く、本質的なテクノロジーや産業優位性を考えることがかなり重要と考えてます。やすブログではファンダメンタルなテクノロジーの優位性や成長性などに今後もフォーカスしていきます。
最後に、投資はあくまでも自己責任でお願いします。プライバシーポリシー・免責事項をよくお読みください。今後も良い記事を書いていきたいので、引き続き応援よろしくお願いします。
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