こんにちは!やす(@YasLovesTech)です。今日は、私のお気に入りの銘柄の1つPeloton(ペロトン)の決算でした。この銘柄は前回の決算前からホールドしており、株価は初めて買った時からトリプルバガーを達してます。Q1後にブログを書きましたが、その後でもダブルバガーを達している絶好調銘柄です。基本的なPelotonについては前回の記事を見ていただければと思いますが、今回はQ2の決算で新たにアップデートされた部分と今後の見通しについて解説していきます。なお、財務の部分は他の方が多く挙げられてるので、私の記事ではプロダクト・ビジネス多めに解説していきます。
だいぶ、Pelotonに入れ込んだ記事になりますので、2−3割引くらいで読むのをお勧めします(笑)
- 売上前年同期比+172%アップ!顧客満足度も過去最高
- Q3ガイダンスもアナリスト予測大幅超え!218%YtoY
- 新機種「Bike+」の販売開始!新型ランニングマシーンも!
- 需要に供給が追いつかず!マーケティング費用も一時意図的中断
- 徹底したソーシャルユーザー体験作り込み
- CEO「コロナ特需ではない、本質的に人々の行動の変化だ」
今回の決算はこちらです。投資検討されてる方はぜひ一読をお勧めします
前回の記事です。Peolotonの基本的な解説はこちらを見ていただければと思います。
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Pelotonの強さについて30分語ります
動画でブログで伝えきれないPelotonの魅力を30分語り続けてます。もしよろしければこちらもよろしくお願いします。
驚愕の決算!前年同期比 +172%UP!
売上 | $607M | 172% YtoY |
ハード売上 | 80% | |
サブスク売上 | 20% | |
会員数 | 109万人 | 113% YtoY |
月間解約率 | 0.52% | (前Q)0.46% |
トータルワークアウト | 7680万回 | 333% YtoY |
一人当たりワークアウト | 24.7回 | 前年同期 12.0回 |
Q3ガイダンス | $725M | 218% YtoY |
Q3会員数予測 | 132.5万人 | 135% YtoY |
主要な数字は上記の通りです。どれもアナリストの予測を超えてます。特にQ3のガイダンスに関しては、予測$505Mのところを大きく超え、$725M(YtoY218%)という驚愕のガイダンスを出してきました。また、EBITDAは前回の決算に初めて黒転しましたが、今回の決算では営業利益も黒転しました。おそらく営業利益黒時は初のはずです。ビジネスをスケールしてもちゃんと利益を残せることを示せてあのはいいと思います。
これらの数字で一番注目するところは、1人当たりのワークアウトが大きく増加していることです。Pelotonというサービスは毎年4月〜6月期はワークアウト数が減るのが通常ですが、今回決算では夏シーズンにも関わらず過去最高を記録しています。もちろん、コロナでジムなどにいけない人たちが多く使ったというのはありますが、それにしてもここまで一人当たりのワークアウトが上がるのは、顧客満足度が相当高いことの裏返しです。実際、ビジネスがここまで拡大してもChurn Rate(解約率)が0.52%と驚異的な低さです。To Cの解約率は通常5%程度です。
新商品「Bike+」
Q2における一番大きなアップデートは、新しいバイクの発表です。詳細は動画を見てもらえればわかりますが、バイクのほかヨガのクラスに対応したり、AppleWatchとの連携、スピーカーの品質アップ、インストラクターが自動でユーザーの負荷を調整できる機能など、今までのバイクから機能を大きくアップグレードしてきました。
これに伴い、今までのバイクは値下げしてます。また、既存のユーザーに関しては古いバイクと交換という形で無料のヨガのレッスンと$750のディスカウントを提供しています。
PelotonはフィットネスのAppleとも呼ばれたりしますが、まさにアップルのような信者ビジネスを構築しつつあります。従来より、ハードウェアの単発売りで終わるのではないかということが懸念されたPelotonですが、既存ユーザーの買い替え需要を喚起する戦略を着実に打ってきています。
また、Pelotonはランニングマシーンを去年リリースしてますが、こちらも新バージョンを今年の冬にリリースする予定です。また、旧バージョンは同様に値下げの予定です。
コールを聞く限りは、Pelotonはハードウェアのラインナップには戦略的に考えているようで、発表されている以外にも今後次々と新しい製品やバージョンアップ製品を出してくるのは間違い無いと思います。どこまで買い替え需要が喚起できるかは気になりますが、少なくとも1−2年の単位ではその心配は杞憂かなと考えてます。
ショールームの拡大
PelotonはAppleストアの如く、店舗を急拡大してます。現在はアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツの4カ国で103店舗展開しています。
また、ニューヨークとイギリス(建設中)の店舗に関しては、フィットネスの配信スタジオを兼ねてます。ニューヨークは今まで通り、フィットネスのライブ配信を続けますが、ロンドンに新しく建設するスタジオからは多言語展開も視野に入ってます。おそらくドイツ語やフランス語などでもPelotonのサービスを配信するのだと思います。
また、新たに台湾に工場を建設します。この工場によって供給量の増加が期待できます。
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需要に追いつかない供給
嬉しくもあり、悲しいニュースでもあるのですが、現在Pelotonは主にUSにおいて需要に供給が追いつかない状況が発生しています。2020年7月〜9月期において、すでに$230Mのバックオーダーを抱えています。こちらは4月〜6月期に受注したもので、すでに支払いは受領してますが、供給が追いつかず売上計上が7月〜9月にずれ込むものです。
Pelotonはコロナ禍において、自宅自粛やジムの閉鎖という状況下で自宅でフィットネスのできるPelotonの需要が急増してます。こちらは前回の記事で詳細を書いたのでそちらを見てもられえればと思います。Pelotonはもともとこのコロナ禍における需要に対応した生産体制を整えておらず、今急ピッチで供給体制を整えてますが、それでも残念ながら2020年の12月まで正常化することがないくらい需要が増えてるみたいです。
この需要の増加は、オーガニック増(自然増)によるもので、Peloton社は現在マーケティング費用を意図的に大幅に抑えてます。昨年の6月-9月期は売上に占めるマーケティング費用が35%だったのが、今回は14%まで落ちています。おそらく、供給が追いつかないため無理なマーケティングを控えてるのだと思います。コールを聞く限りはリファーラルプログラム(友達紹介)がかなり自然増を支えてるとのことです。
供給力で売上が抑えざるを得ない状況になっており、供給力が復活したらもっともっと販売できる力があるのではないかなと考えてます。
徹底したソーシャルユーザー体験
さて、Pelotonを語る上で外せないのがフィットネスのユーザー体験部分です。ここの読み方を間違えると、Pelotonの本当の強さを見逃すことになります。前回の記事でも書きましたが、Pelotonは「友達と一緒に楽しむソーシャル体験」のフィットネスです。なので、これは他の一人で運動する器具と全く別物という認識を持った方が良いでしょう。わかりやすく言えば、一人でやるゲームが、オンラインに繋がってソーシャルゲームになった時と同じダイナミズムです。
ワークアウトでいえば、Q2も色々なワークアウトを展開してます。ヨガはもちろん、機材のいらない運動や、有名アスリートの採用、ファミリー向けのワークアウト、そしてダンスなど、ユーザー体験の向上は徹底しているみたいです。これらはまさにソーシャルゲームなどの運用に近くて、Pelotonの真の強さはこう言ったユーザーを飽きさせないコンテンツ力にあると思います。これは、文字で読む以上に強い競争力で、これらをしっかり作り込んでるからこそ、一人当たりの参加、低い解約率につながっていると思います。
CEOもこのグラフが一番好きとコールで発表してます。このグラフから読み取れる真の意味。顧客満足度を想像することが何よりもPelotonの強さを知ることになります。また、こう言ったビジネス上のアクティブ指標をちゃんと持っている企業はPDCAがうまくいくタイプの会社です。
私自身も過去にソーシャルゲームを運用していた経験から書きますが、こういった目に見えない知見は他社がいきなり真似てもすぐにたどり着けるものではありません。フィットネス x ライブ x ソーシャルのユーザー体験とその運用ノウハウは簡単には追いつけるものではないでしょう。Appleや他社が始めたところで1、2年で追いつけるような代物ではありません。
そのほかにも新機能として、「TAGES」という機能をリリースしました。これは非常にシンプルな機能で自分自身のプロフファイルに出身地や興味などのタグをつけることによって趣味や環境が近い人と繋がれる仕組みです。4月にリリースしていこう、10万種類ものタグが生まれたとのことです。
何度も言いますが、Pelotonはフィットネスではなく、ソーシャルフィットネスです。ここを見誤ると、他のバイク・ランニングマシーンと比べ何が真の強みなのかを見失うことになります。これは、CEOが何度も何度も念を押して強調している部分です。
寄せられた疑問に答えます
こんなに高い機材を買うの?
Pelotonは初めから富裕層を狙ってビジネスをしています。最近こそ、少し値段を下げてミドル層をターゲットにしてきてますが、アメリカの富豪・ミドル層はこれくらいの機材を変える人口はゴロゴロしてます。また、サブスクリプションも$40と少し高く見えますが、これは平均的なジムの月額使用料です。日本人の感覚だと少しわかりづらいかもしれませんが、これくらいの機材であればポンポン買ってしまうのがアメリカのミドル層です(若干金遣いは荒いですw)
フィットネスなんて売れるの?
カルフォルニアの視点でしか語れないですが、カルフォルニアにおけるフィットネスの意識の高まりは、特にミドル層以上に広く普及してます。カルフォルニアは普通レベルのアパートでは必ずと言っていいほどジムとプールがついてます。また、土日になれば皆が外を走る習慣がついてます。アメリカってピザとポテトのイメージが強いですが、ミドル層以上では想像以上にフィットネスの文化が浸透しています。
競合に追いつかれるのでは?アップルとか?
こちらも何度も書きますが、すでにPelotonはソーシャル・ライブ・フィットネスの領域で目に見えない運用アセットをかなり貯めています。技術的に、ハード的に追いつくことはできても、こう言った運用アセットを超えるのは数年レベルの時間がかかります。CEOが何より、昔からソーシャルを中心にユーザー体験を作り上げてきているので、GAFAMの一部門程度が追いつくのはほぼ不可能と考える方が自然です。技術・ハードで追いついてもユーザー体験で追いつけないのです。これは先日のZoomの記事と似たような話ですね。
最後にCEOの言葉です
I want to propose a pretty simple concept that fitness is moving into the home, because home is a better location. With roughly 35 million treadmills in U.S. homes today, American consumers have said that they want fitness at home. It just hasn’t worked until now. People are now moving on to Peloton, because of our incredible instructors, because of our strong and supportive community, because of our best-in-class hardware, our networked and gamified software, our world-class music, our unparalleled delivery experiences, and so much more. Again, these are not COVID dynamics, these are fundamental sustainable dynamics that meet people where they are with content and programs that exceed their fitness and wellness goals, and make it fun and engaging to workout at home.
「最後に1つだけシンプルなコンセプトを説明します。フィットネスは今、家で行うことが主流になってきています。なぜなら、家の方がいいからです。およそ3500万のランニングマシーンがアメリカの家庭にあります。アメリカの人々は家でフィットネスをやりたいと考えてますが、今まで適切なサービスがなかっただけです。人々は今、 Pelotonを使い始めてます。我々の素晴らしいインストラクター、素晴らしいコミュニティ、素晴らしいハードウェア、ネットワークに繋がったゲーミフィケーション、素晴らしい配送の体験、これらが人々を魅了してます。重ねて言いますが、これはコロナによる特需ではなく、本質的に人々の行動が変わったことによるダイナミズムなのです。人々がそれぞれのフィットネスのゴールと健康維持を魅力的なコンテントとプログラムによって家でワークアウトをする時代が来たのです」
Data Source : https://investor.onepeloton.com/events/event-details/peloton-interactive-4q20-fy20-earnings-call
まとめ
決算前まではPF保有率10%ほどでしたが、決算後に15%ほどまでにすでに買増し済みです。控えめに言っても、今回の決算はスーパー決算です。Q3のガイダンスもよく、コロナ特需を終えた以降の戦略も見え隠れしているので、次の1年くらいは持てる銘柄なのかなと考えてます。
特に、今からはインドアフィットネスの需要が旺盛なシーズンを迎えつつ、プレゼントとしてのニーズも高まるホリデーシーズンを迎えます。すでに株価にはある程度織り込まれていると思いますが、7月〜12月の売上も凄まじいものになるでしょう。
ハードが売れきったら成長が止まるのでは?という懸念もありますが、確かにそれはあるので来年の2月くらいの決算発表で一旦判断は入ると考えてます。それまでは比較的楽観視してホールドできるのかなと考えてます。
とはいうものの、ちゃんとユーザーの満足度を上げられてるし、機材の買い替え需要もうまく喚起できていたり、オフラインへのビジネス以降の布石もちゃんと打っているので決算見ながらですが、向こう1年のPelotonの将来性はあまり心配してません。
今から、新規で入る場合も大丈夫だとは思いますが、なんせ相場が結構軟調ではあるので、なかなか忍耐が必要なホールドになるかなと思います。ですが、次の決算でもきっといい結果を出してくれるのではないかなと考えてます。
今後もよろしくお願いします
ここまで読んでいただきありがとうございます。やすブログでは、テックニュースやテック株の解説記事を引き続き書いて行こうと思います。
最後に、投資はあくまでも自己責任でお願いします。今後も良い記事を書いていきたいので、引き続き応援よろしくお願いします。
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ブログを読んでいただきありがとうございます。
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Comments
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いつもブログやTwitter、YouTubeなどを拝見して勉強させて頂いてます。
やすさんはペロトンは次1年くらいは持てるとのことですが、もっと長い5年程のスパンではどのようにお考えでしょうか?
宜しければお教えください。