トレンドを占うCES2017のVR/AR関連発表のまとめ

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私は初めての参加でしたが、CES2017が今年も終わりました。CES2017のAR/VR周り発表がたくさんありしたが、VR/ARのトレンドを占う注目の発表をまとめました。

  1. GearVR 500万台超の出荷を発表
  2. Job Simulatorが3億円超の売上を達成
  3. HTCがTracker, TPCASTなどの周辺機器を発表
  4. ODGがR8、R9の新型ARグラスを発表
  5. ASUSがTango/Daydreamの両方を対応したスマホを発表
  6. LenovoがインサイドアウトトラックのVRヘッドセットを発表

1:GearVR 500万台超の出荷を発表

昨年の4月に100万人を突破したとのことで、そこから8ヶ月たって500万台の出荷を達成したとのことです。HTC,Oculusなどのハイエンドマシンが全て合わせても100万台ほどと言われているマーケットの中で、エンドユーザーのエントリーポイントとしてのモバイルVRが拡大を続けているのは非常に良いニュースです。2017年はモバイルVRの有力プラットフォームの1つであるDaydreamも対応機種をどんどん広げていくこととなるので、2017年の終わりには2000万台の出荷達成もありえるかもしれません。参考までに、スマートフォンはiphoneが2007年に発売され、こちらの記事によると、2007年が140万台、2008年が1160万台なので、スマートフォン(iphone)と比べても約1年で500万台というのは悪くない数字のような気がします。

2:Job Simulatorが3億円超の売上を達成

現在売上が発表されているVRゲームでは最高売上かと思います。HTC,OculusなどのハイエンドVRがトータルで100万台ほどしか出荷されてないと予測されている中で、3億円という売上はゲームデベロッパーに取って良いニュースだと思われます。 VR ReadyのPCも$500程になってきておりVR機器とPCの値段がどんどん下がれば出荷はより増えていくと思うので、今後億越えタイトルがどんどん出てくるとともに10億円・20億円を達成するゲームも出始めてくると思います。

3:HTCがTracker, TPCASTなどの周辺機器を発表

今回、CESで面白い発表の一つだったのではないでしょうか。HTCがVIVE TRACKER、VIVE DELUXE AUDIO STRAP、TPCASTなどの周辺機器とVIVEPORT ARCADEというVRを使ったアーケードライセンスの発表を行いました。発表された周辺機器はアーケードで使われることを想定していると思われ、現在急拡大している中国のVRアーケードマーケットを意識した動きだと思われます。また、各社がVRの無線化技術(リモートコンピューティング)の開発をしている中で、最も早く商用利用にこぎつけたのはさすがとしか言いようがありません。もう少し時間がかかるかなと思いましたが、HTCだけでなくVRの無線化が今後の主流になっていくのは間違い無いと思います。

4:ODGがR8、R9の新型ARグラスを発表

ARグラスといえばMicrosoftのホロレンズが有名ですが、実はODGは1999年からARグラスを作っている老舗で、ずっと軍用ARグラスなどを作っていました。そのODGがついに$1000という価格でARグラスを2017年のQ3に出荷するという発表しました。まだまだ、視野角やパフォーマンスの体験はリッチとは言い難いですが、それでも$1000という価格で出荷するのはARもいよいよTake offかと思わせる発表でした。2017年はまだ早いですが、2018年になればAR元年と呼ばれるかもしれません。

5:ASUSがTango/Daydreamの両方を対応したスマホを発表

ついに、Tango(AR)とDaydream(VR)が一緒になった端末が発表になりました。出荷は2017年Q2と想定してたより早くTango/Dayream端末がきたなという印象です。TangoはARという側面もありますが、深度を図れる特別なカメラを内蔵していて、その技術はVRにインサイドアウトをベースにしたポジショントラッキングを可能にすると予想されます。モバイルVRでハンドトラッキング、ポジショントラッキング、などの今のHTC Viveの体験に近い体験ができる技術が形としては乗ったということになります。記事の中では、Tango/Daydreamが同時に起動できないということでトラッキングは2017年ではなさそうですが、早ければ2018年にもモバイルVRで仮想空間内を動き回れるかもしれません。

6:LenovoがインサイドアウトトラックのVRヘッドセットを発表

こちらも5の記事と少し関連しますが、LenovoはずっとTango対応のスマホを作り続けてきたメーカで、今回その知見を使ってインサイドアウトのトラッキングをベースにしたVRヘッドマウントを発表しました。今のHTC Viveが行なっているようなトラッキングはアウトサイドインと呼ばれ、外から中をトラッキングするためBase Stationのような機材が必要でした。ですが、2016年を通じて本命はインサイドアウトをベースにしたトラッキングと言われており、各社技術開発が続けられており、いつ本格的に出るのかなと思ってましたが、2017年からどうやらで始めるようです。Lenovoのようなインサイドアウトベースのトラッキングでは特別な機器を取り付ける必要もなく、理論上は広さに制限がないと思うので、よりエンドユーザーにとってVRの敷居が低くなるのは間違いないと思います。また、HMDの前方についたカメラでMixed Reality的な体験も可能になるとのことです。

以上になります。全体としてVRのマーケットが順調に伸びている記事が出始め、またVR新たな体験を支える技術も商品化され始めることが明確になったCES2017だったかと思います。また、ARもまだまだ元年と呼ぶには早い気がしますがARグラスやTangoをはじめとして2018年以降にARが盛り上がる下地が整いつつあるのかなと感じさせる発表でした。2017年もAR/VR界隈が非常に楽しみですね!


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