「シェアリングエコノミーって少し前に流行ったけど最近や今後のトレンドは?新しいシェアリングエコノミーの新規事業のネタはないかな?」
本記事は、シリコンバレーにおけるシェアリングエコノミーやマーケットプレイスの最近事情や今後について知りたい起業家、投資家、経営者、新規事業担当の方向けの記事になります
- TOP4社だけでトップ100社の総売上76%を占める
- 急成長産業は、卸売、インフルエンサー、フードデリバリー、スニーカー
- 10代〜20代をターゲットにしたスタートアップが急成長
- 日本でも応用可能な注目のスタートアップ4選
この記事を書いてるやす(@Yasushi_1985)はシリコンバレーで5年ベンチャーキャピタリストとしてスタートアップに投資してます!本業でも常にこういったトレンドを追ってますので、今回のブログでは本業の知見も合わせて少し紹介させていただきます。
2020年のシェアリングエコノミのーのトレンドは何かな?どんな産業で伸びているのかな?新しい事業のネタはないかな?シリコンバレーのシェアリングエコノミのーの今と今後を知りたいという方はぜひ記事をご覧ください。5分ほどで読めます
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シェリングエコノミーの今後【2020年トレンド】
まずは敬意を表し、今回参考にさせていただく記事の紹介です。
The a16z Marketplace 100((マーケットプレイススタートアップ100選)
ANDREESSEN HOROWITZ(以下、a16z)というアメリカの超有名ベンチャーキャピタルが2月18日に投稿したブログになります。a16zは過去にはFacebook, Lyft, Slackなど次々と有名企業への投資を行なったことでa16zが投資したスタートアップは必ず成功すると言われてるほどの凄腕VCになります。
元記事はマーケットプレイス関連の未上場スタートアップ(UBERなどは上場済みなので対象外)をa16zの独自分析に基づき、マーケットサイズ・成長力の観点からTOP100社を選びそれらを分析したレポートになります。
日本ではマーケットプレイスよりシェアリングエコノミーという言葉の方かな一般的かなと思い本記事ではシェアリングエコノミーという言葉で解説させていただきます。
( 正直に言いますとSEO的な都合です )
TOP4だけでシェア76%を占める
元記事では、Airbnb, DoorDash, Instacart, Postmatesの4社だけでトップ100社総売上の76%を占めるということを明らかにしています。特にAirbnbだけで38%もシェアがあり巨大です。しかし、これらの企業はすでに創業から10年前後が経過しておりひと昔ならすでにIPOしているような企業が未公開でい続けているため少しスタートアップの実態と乖離があるかもしれません。
TOP100から外れていますが上場済みのUber, Lyft, eBayなども考慮に入れるとこの傾向(トップがシェアを独占)はますます強くなると思います。
Airbnb : 個人や法人が所有する宿泊施設(個人宅含む)のオンラインマーケットプレイス
DoorDash、Postmates : レストランなどの飲食を配達するオンラインマーケットプレイス
Instacart : スーパーなどの商品を配達するオンラインマーケットプレイス
急成長産業は、卸売、インフルエンサー、飲食、アパレル
こちらが産業別の年間成長率になります。
成長率1位:卸売り
このカテゴリには1社「Faire」という会社のみが取り組んでますが急成長しています。後に詳しく解説しますが、比較的小規模な小売店がユニークな商品を扱う卸売りから購入可能なオンラインマーケットプレイスを構築してます
成長率2位:インフルエンサー
このカテゴリには1社「Cameo」という会社のみが取り組んでおり、こちらも同様に急成長しています。こちらも後に後で解決しますが、インフルエンサーが物販するためのマーケットプレイスになります。
成長率4位:スニーカー
3位が少し長くなるので先に4位を紹介します。このカテゴリにはGOAT、StockX、Stadium Goodsの3社が取り組んでおり、これらの会社はスニーカーの売買のオンラインマーケットプレイスを構築しています。スニーカーだけで4社もいてこんなに伸びているのは驚きですね。
成長率3位:フードデリバリー
フードデリバリーはすでに先述のDoorDash, Postmatesを含め11のスタートアップが参入しています。またUberEatsなど上場済みのIT企業も参入しており競争が激化してますが、依然成長しているマーケットになります。マーケットは2020年に$23B(2.3兆円) になると言われておりその中でもDoorDashがシェアを拡大してます。また、フードデリバリーの面白いところは都市ごとにシェアの順位が異なっており地域に根ざしたデリバリーネットワークの構築が鍵を握ると言えそうです。
日本にもUberEatsをはじめ様々なスタートアップが参入してますが、フードデリバリーに関しては地域毎やカテゴリ毎に勝者が決まり、「Winner Take All ( 勝者が全てを獲得する)」が当てはまらないカテゴリと言えます。
フードデリバリーのマーケットに関してはこちらの記事を参照ください
(下記画像のソース: Which company is winning the food delivery war? )
10代〜20代をターゲットにしたスタートアップが急成長
こちらが年間成長率トップ10社のスタートアップになりますが、記事によるとこれらのスタートアップには共通項があり、インディ・ローカル・インフルエンサー・スニーカーなど10代〜20代の消費行動を象徴するスタートアップが年率5倍以上の急成長を遂げているとのことです。Faire, Cameo, Booksy, Snackpassの4社に関してはまさにそれを象徴するようなスタートアップですので後で詳しく解説していきます。
その他のトレンドについて
その他、記事内ではカテゴリ毎の寡占具合やその理由。そして、各カテゴリのマーケットサイズとマーケット成長率について記述があります。そこまで取り扱うと長すぎるので本ブログでは割愛させていただきますが、そちらも非常に面白い内容になってますので、ぜひ元記事を読んでみてください。
The a16z Marketplace 100((マーケットプレイススタートアップ100選)
日本でも応用可能な注目のスタートアップ4選
では、急成長しているトップ10社の中から、特に興味深い4社について少し詳細を解説していきます。それぞれ、10代−20代の新しい消費トレンドをうまくキャッチしている企業なので非常に面白いです。日本にも応用できると思いますので、投資家、起業家、事業開発の皆さんはぜひ参考にしてみてください。
Faire
ウェブサイト:https://www.faire.com/
設立:2017年1月
調達:2019年シリーズD ( 150億円。時価総額1000億円 )
本社:サンフランシスコ
主な投資家:YC, FoundersFund, Lightspeed Venture Partners
Faireは、小規模小売店と、ユニークな商品をもつ個人のクリエイターの卸売の売買を行うマーケットプレイスプラットフォームです。地域、地域の特色を持った小売店に注目し、小売店がそれぞれに必要なユニークな商品を簡単に買えるプラットフォームです。
現在、5万店の小売店が参加しており7000のメーカーが参加してます。メーカーといっても巨大なメーカーではなく個人のクリエイターも参加してます。毎日1億円ほどのトランザクションが発生しています。
Faireは個人のクリエイターが商品を作ることに専念できるよう販売をシンプル化し、小売店側には商品をAIでマッチメイキングしているとのことです。これは日本でも流行るかもしれませんね。
Cameo
ウェブサイト:https://www.cameo.com/
設立:2017年1月
調達:2019年シリーズB ( 50億円。時価総額300億円 )
本社:シカゴ
主な投資家:Kleiner Perkins, Lightspeed Venture Partners
個人的には5社の中でCameoが一番好きです。Cameoは15,000人もの有名人(女優、俳優、スポーツ選手、Youtuber、インフルエンサー)が参加しており、ユーザーは有名人から個別のビデオメッセージを数十ドルから数千ドルの値段で買えるというものです。
これこそまさに10代の消費行動を代表するようなサービスかなと思ってます。確かに、配信者に投げ銭などを厭わない時代なので、僕も好きな配信者であれば数千でビデオメッセージが買えるなら買ってしまいそうです。ユースケースとしては、結婚式、誕生日、会社イベントのメッセージとしての需要がありそうですね。
これも日本で流行るような気がします!ホリエモンとか中田さんのメッセージはいくらするんでしょうか(笑)
Booksy
ウェブサイト:https://booksy.com/en-us/
設立:2013年3月
調達:2019年シリーズB ( 29億円。時価総額非公開 )
本社:サンフランシスコ
主な投資家:Piton Capitalなどヨーロッパ系投資家多数
日本で言えば、Hotpepper Beauty的なサービスに近いです。美容院、美容師とユーザーを目的別・住所別にマッチングできるプラットフォームです。
UI/UXが完全にモバイルファーストで作られている点と、ヘアサロンはもちろんですが個人のスタイリストベースで検索・予約。そしてレーティングやレビューなど、最近のシェアリングエコノミーサービスの体験を完全に美容向けに作り込んでいます。
これも10代の消費行動に注目したサービスで日本で流行りそうですね!ヘアスタイリストはもはやインフルエンサーのカテゴリに入るような気がします。指名が中心なキャバクラやホストなどの夜の世界にも応用ができそうですね。。。
Snakpass
ウェブサイト:https://www.snackpass.co/
設立:2017年
調達:2019年シリーズA ( 21億円。時価総額非公開 )
本社:サンフランシスコ
主な投資家:YC, Andreessen Horowitz, General Catalyst
Snakpassは従来のフードデリバリーではなく、オーダー&ピックアップにフォーカスしたサービスです。スターバックスやマクドナルドが展開しているサービスですね。それを各種小売店が簡単に導入できるようにしたものです。
Snackpassは米国の大学を中心にビジネスを展開し、配達料の高いフードデリバリーを使わない学生の消費行動に注目しました。並んでいる店に目をつけそこに導入を進めていきました。特徴的なのが、ほとんどのフードデリバリータイプのビジネスが割引などでユーザーエンゲージメントを高めているのに対し、Snackpassは購入した時のリワードポイントでユーザーのリテンションを保っています。
こちらは日本でも応用できそうですが、すでにあるかもしれませんね。投資家も本記事のアンドリーセンやYC, General Catalystなどつよつよ投資家が多数入ってます。
今後もよろしくお願いします
ここまで読んでいただきありがとうございます。今回は長くなりすぎたので、ポエムは省略します。今後も良い記事を書いていきたいので、SNSなどで拡散など応援いただけると非常に励みになります。
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