日本がIT産業でシリコンバレー・中国に圧倒的に遅れてる理由

シリコンバレー

はじめに

11月13日にツィートした以下内容がプチバズしたので、今回はそれをもう少しブレイクダウンして解説していこうと思います。Youtubeでもこれについてアップロードしましたので、そちらも併せてみていただけると嬉しいです!

日本がIT産業で米国・中国に圧倒的に遅れてる理由 [やすちゃねる #36]

前提として、私は在米5年で日本の詳細な事情はもはや詳しくないので、日本の事情はある程度の推測を交えて書きますのでその点ご了承していただければと思います。一方で、日本の事情とアメリカの事情ともにある程度詳しい人はそれほど多くはないと思いますので、この記事は日本のことが全然わかっておらん!けしからん!という方は是非、アメリカのことを僕以上に教えていただければ嬉しいです

結論

  • 日本はマーケットが米国に比べ小さくExitが小さい
  • 日本は米国に比べExitが小さく巨額な投資ができない
  • 日本は巨額な投資がしにくい環境なので世界的なスタートアップが生まれにくい

日本は投資額が圧倒的に少ない

私が日本にいた時の話ですが、日本のエンジニアは世界に負けない技術力がある、日本のコンテンツは世界に負けないコンテンツ力がある、ソシャゲーは日本が生み出したイノベーションだなど。日本が決してシリコンバレーに負けてない・勝てるという希望的観測が多かったと思います。私も米国で2年の実務経験があるからわかるのですが、それは確かに当たっていると思います。エンジニアだけの品質で見れば、日本のエンジニアの方が納期・品質(バグの少なさ)・メンテナンス性の高いコードを書くのは傾向としてはあると思います。

また、日本がシリコンバレーに遅れている理由も、エンジニアの賃金が低いやエンジニアではない方が事業を決めているなど様々な理由が叫ばれていますが、一部の理由ではあるとは思いますが決定的な理由ではありません。

ツィートでも述べましたが2017年の投資額は米国:10兆円、中国:4.5兆円、日本:0.2兆円。および過去数年のトレンドは以下の通りで、これが決定的な日本のIT産業が遅れた原因と考えてます。

データ元:「ベンチャー白書2018

これは非常に重要な点でどんなに日本のエンジニアや経営者がアメリカや中国の方より何倍も優秀だったとしても、投資資金が50倍も違うのであればB-29を竹槍で落とすがごとく勝ち目のない戦いです。極端な言い方をすれば、日本より品質が半分以下の物・サービスでもこの資金量があれば品質を覆す技術投資・マーケティングの拡大が続けられるでしょう。数年も経てば日本が優位であるはずの品質もデータや知見という目に見えない資産であっという間に置いてかれてしまいます。そのうち、品質も大きく遅れを取ることになり今日に至ります

「いいものを作ればいつか評価されて売上が上がる」「アメリカのサービスは問題だらけで日本の品質には遠く及ばない」という日本の根底にある文化が今もどれだけ続いてるかわかりませんが、中米の戦い方を見れば考え方を改めなければならないのは明らかです。勝負は貧相思想からくる品質ではなく、ブルーオーシャンのマーケットに対していち早く最低限の品質で一気にマーケットを取りに行く戦い方と資金量なのです

なぜアメリカは巨額の投資ができるのか?

一般的に、投資をするからにはリターンを期待しているからであり。リターンが多く望めればそれだけ多くの投資が可能というのは一般論としては語れると思います。日米で同じ判断軸でリターンを測る指標はないのですが今回はその一部を紹介します。

投資のリターンを測る指標の1つとしてExit件数・金額の推移を見てみます。Exitというのは、ベンチャー企業に投資した株が上場や企業買収によって現金化(できる状態になった)ことを意味します。PitchBookの資料によると2018年の米国のExit件数は959件、総額が12.7兆円。一件あたり132億円となります。

データ元 :https://pitchbook.com/

同じような比較ができる日本の資料はないのですが、こちらの記事によると、日本の2016年のExit件数は151件。2014年〜2016年のIPOの1位が819億円、5位が492億円、15位が272億円。日本のExitの平均や総額の資料が見つからないのが残念ですが、平均が米国の132億円を大きく下回るのは推測できると思います。また件数も959件に対して151件と、件数・金額の両面で大きな差が開いてます。なお、米国の2019年第三四半期の1位のExit金額が2200億円で、5位が1000億円(資料:Money Tree)となっており。日本の2年間のトップ1のExit(819億円)が米国の2019年のたった3ヶ月のトップ5(1000億円)を下回るという状況になっております。

(*別にアメリカすげーという気は毛頭なく、世界中のどこであれ、どんな規模であれ上場までたどり着けた起業家のみなさまは本当にすごいです!あくまでも数字の比較のみという点で見ていただければ)

単純に比較ができる指標がないのですが、一部の資料を見るだけでもアメリカのExit状況が日本の何倍も大きいのがわかると思います。これが米国の旺盛な投資需要をした支えしています。

なぜアメリカのExitは日本より大きいのか?

だんだん記事を書くのが疲れてきたので、ここからさきは詳細なデータは割愛しますが、米国のスタートアップの投資をみている限り、米国そのもののマーケットが日本の4倍( GDP 2000兆:500兆)ということに加え世界の標準言語英語でビジネスをしていることから各国のビジネスアライアンスとマーケット的にも大きく優位に立てているのは間違い無いと思います。結果的にスタートアップの総ユーザー数、総売上が日本の何倍にも達し、それが最終的に巨額なExit金額という帰結になっています

どうすれば日本は勝てるのか?

上記の理由を色々書いてきましたが、米国も投資の結果としてマーケットが大きくなってきているので、投資が先か、マーケットが先かという点で考えるとやはり投資がもっともっとしやすい環境を整えていくのがまず重要なのでは無いかと思います。アメリカ以外の国では、スタートアップに税制的な優遇措置や最先端の技術に関しては奨励金を出しているケースも多く、政府機関が橋渡しとなってアメリカや諸外国に自国のスタートアップを売り歩いている(デモデイやカンファレンスなどで国として出店しスタートアップを集めている)のもよく目にします。少なくとも日本の政府系機関がアメリカや世界で日本のスタートアップを売り歩いてる姿を見ることはほぼ無いです。こういったことをしていけば徐々にですが投資状況が上向くとは思いますが、モリやカケや桜なんかやってる日本の政治にこういったことを期待できる可能性はゼロですね。

今後もよろしくお願いします

ここまで読んでいただきありがとうございます。今回はボリュームが多く少し疲れました。今後も良い記事を書いていきたいので、SNSなどで拡散など応援いただけると非常に励みになります。Twitterのフォローやシリコンバレーの情報をお届けするメルマガ登録などよろしくお願いします。

Comments

  1. […] 上記の図は、アメリカのスタートアップのトータルの調達額と案件数になります。2018年より若干微減しているものの、案件数が5906件で、総調達額が約11.8兆円。2010年代前半の規模からすると引き続きかなり高い水準をキープしています。なお、正式なレポートは見つけられてませんが各種のデータを勘案すると日本の2019年の調達額は4000億円前後になりそうです。日本の投資額が好調になってきたとはいえまだ30倍近くも投資額の差があり、今後もスタートアップ産業において日本が米国に出遅れる傾向は続きそうです。稚拙な記事ですが、「日本がIT産業でシリコンバレー・中国に圧倒的に遅れてる理由」興味あればも参考にしていただければと思います。 […]

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