こんにちは!やす(@YasLovesTech)です。先日紹介しました、Fastlyですがその後、ぐんぐん株価は伸び続け6月26日現在、過去1ヶ月で130%も株価が上がりました。
当初、Twitterでは上がりすぎと言う意見がしばしば見られ、私も同様に考えてましたが、ここまで株価が上がったのは大きなニュースが2つあったので、それを少し紹介します。今日の記事は上記記事を前提に書き進めていきますので、まだの方は是非上記記事を一読お願いできればと思います。
あと、ともさん( @tokonatauguam ) がYoutubeで非常にFastlyを分かりやすく解説してくださってます。僕のブログは技術よりなので、足りない部分はともさんのYoutubeを是非見てください!
投資は自己責任でお願いします!
トラフィックが急増
株価の上昇についての要因はこの1つ目のファクターがメインと考えられます。
この記事によると、CDNのビジネスの拡大を測る数値として、1秒間にトラフィックがどれだけ流れたかというTbpsという指標を使うらしいです。これは私たちがインターネットの速度を測るMbpsがメガからギガを超えてテラになったもので、Fastlyのネットワーク全体で100Tbpsという巨大トラフィックに到達したとのことです。ビットからバイトに直すと、1秒間に12.5TBのサイズが流れてることになります。まずはこれが好感を受けて6月19日前後に伸びました
記事によると、昨年の第2四半期は45Tbpsでネットワーク転送量では、6月を終わる前にすでに122%成長したことになります。成長自体が加速しており2019Q1 – 2020Q1の比較ではトラフィックは96%成長とのことでした。
前回の決算でFastlyは第2四半期のガイダンスを$72Mと発表しておりこれはYtoYで52%という数字になるのですが、トラフィックの増加量から鑑みるにほぼ達成見込みと考えられそうです。超えてくる可能性すらあります。PSRは6月26日時点で35ですが仮にガイダンス通りになったとしたらPSRは30になるので、なるほど株価は合理的に動いてるなと思います。PSRについてはこちらの記事を参照ください。
エッジコンピューティングの進捗が順調
先週株価はすでに上がりきったと重れましたが、今週さらに33%も伸び続け米国の投資家界隈でも驚きの声が上がっています。今週も伸び続けたのは昨日でたニュースが関係してそうです。
NexTech AR Solutions社との実証実験がうまくいき、同社の認証システムをクラウドから全てエッジに移管することに成功したとのことです(見込みかもしれない)。まさにエッジコンピューティングの第1歩を歩み始めた瞬間です。エッジコンピューティングとは?という方はこちらの日経の記事がすごく参考になるので是非見てみてください
今回の実験は、ビデオストリームにかかる認証実験の成功とのことです。ビデオストリーミングはCDNのビジネスにとってドル箱となるビジネスの1つです。みなさんが、Netflixなど動画見る際は、Netflixにアクセスしているように見えて動画自体のファイルは近くのCDNから配信されてるケースが多いです。これは、動画の配信元であるNetflix本体のサーバーを負荷から守るのと、ユーザーに動画を遅延なく届けるために必要不可欠な仕組みです。
(追記:Netflixは自前でCDNを構築しているみたいです)
一方で、CDNは動画など静的ファイルの配信しかできないのが今までの常識だったので、ユーザー認証は全てメインサーバーに集中してました。動画ビジネスにとって認証は超重要で、技術的にはDRMと呼ばれてます。私はあまり詳しくないので、間違ってたら申し訳ないですが、例えばネットフリックスを契約したユーザーからのリクエストかどうかを常にメインサーバーで認証し、正規のユーザーであればCDNから配信される動画を復号化できる鍵を渡して、ユーザーはCDNから暗号化された動画ファイルを受け取り、手元の端末に保存された鍵で復号化して見ることができるという仕組みです。
なぜ、こんなしちめんどくさいことをしているかというと、CDNは静的なファイルしか配信できないため、ユーザーがファイルの置き場所を知っていればネットフリックスを契約してないユーザーでも見放題になってしまう恐れがあるからです。これも、全てCDNが静的なファイルしか置けないから発生する問題です。
長くなりましたが、NexTech AR Solutions社の話に戻ると、今回の実験においては動画ファイルの配布元であるエッジでユーザー認証が可能になったというすごいニュースなのです。今まではメインサーバーで認証してから、ある意味一定期間のアクセス権を与えてたのでセキュリティ的には少し不安が残るところもありました。しかし、コンテンツを配信するエッジ側で認証できれば動画の取得と認証が同じ場所で行われ、セキュリティ的にもパフォーマンス的にも大幅に向上します。コンテンツを毎秒取得するたびに正しいユーザーかどうかの判定が可能になります。
何を言ってるかわからないかもしれませんが、これはやばいです!
長くなるのでこの辺りにしておきますが、エッジである程度のロジックがプログラミングできるというのは人類のすごい一歩なのです。今回の発表では、Fastlyはメインサーバーで行われてた基本的な機能を今後どんどんエッジに移していくとのことです。まだ具体的なユースケースは正確にはわかりませんが(思いつくのはいくつもありますが)、基本的な考え方としては、わざわざメインサーバーでやる必要もない単純作業をどんどんエッジ(CDN)に機能を持たせていくということです。これは、コストの面でも、サーバーの負荷の面でも、ユーザーの待機スピードの観点からも、パフォーマンスが向上することは間違い無いでしょう。
他の競合ももちろんエッジコンピューティングを実現すべく少なく無い競合がいますが、実用レベルでエッジ(CDN)にここまでの処理が可能な会社は数社しかないと思います。なぜかというと、CDNの特性上世界中に物理的なサーバーを所持&管理していないと商用運用できないので、この運用体制が整っている会社は数多くありません。また、上記のように認証の話を書くのはすごく簡単ですが、処理をエッジに持たせるというのはデータ保持やロジックの一貫性など一筋縄では行きません。例えばアルゴリズムを更新したいときに既存のCDNのように数分かかるとかお話になりません。今の時点でキャッシュを0.15秒で全て上書きできる運用を構築しているFastlyにしかできない技なのです。
まとめ
最後にやすの方針ですが、株価が上がるかどうかの以前の前に、この会社に投資をすることはそのお金に意味があります。新しい未来を切り開くお金なのです。よくわからない上げ下げするマネーゲームや既存ビジネスからの利益の配当を期待する投資とは本質的に異なります。
真面目にリターンを考えたとしても、Fastlyの未来を考えれば十分買っていくことはありかなと考えてます。とはいうものの、すでに株価が上がりすぎてて買い増すのも少し怖いので、私はFastly定期貯金をしていこうかなと考えてます。
今後もよろしくお願いします
ここまで読んでいただきありがとうございます。やすブログでは、テックニュースやテック株の解説記事を引き続き書いて行こうと思います。
特に他のブログでは財務分析に重きを置いてるケースが多いと思います。テック銘柄は数字ではわからない部分が多く、本質的なテクノロジーや産業優位性を考えることがかなり重要と考えてます。やすブログではファンダメンタルなテクノロジーの優位性や成長性などに今後もフォーカスしていきます。
免責事項
最後に、投資はあくまでも自己責任でお願いします。当ブログのコンテンツ・情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤情報が入り込んだり、情報が古くなっていることもあります。当ブログを参考にしたかどうかに関わらず皆様の投資結果には一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
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Comments
今日初めて訪問しました。投資初心者で同じく富山県です。
今後毎回参考にさせていだだきます。
ありがとうございました。
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